前作『Prairie Wind』からわずか7ヶ月と短い間隔でリリースされる『Living With War』は、今年の3月下旬からたった3週間で作りあげた、反戦をテーマに掲げるプロテスト・アルバムだそうです。US盤は5月上旬、国内盤は6月21日に発売だそうなので本当に緊急発売ですね。
一曲目のイントロを聴いた瞬間、「ああ、ニール・ヤングだ」と思いました。まさにニール・ヤング印のエレクトリック・ギター・サウンド。どれだけのミュージシャンが影響を受けたかわからないけど、ニール・ヤングにしか出せないこのもっさり感。そしてそれがなぜか気持ちよいグルーヴになるという不思議感は健在です。ソング・ライティングは制作期間が短いせいもあってか、手癖で作ったかのようなニール・ヤング節。名曲「Helpless」や「Rockin' in the Free World」の歌詞で歌っても違和感のないような曲があったりもします。いや、きっと心からわき出る曲をそのままレコーディングしたらこうなったんでしょう。サウンドはシンプル、多用されるコーラスワークも練り込まれたものではなく、雑でありきたりです。ホーンの使い方もかなり直球。で、それがいいのかっていうと、すごくいいんです。もう理屈なんかじゃないんです。実際とことん響いてくるんです。
たぶん、このアルバムで話題になるのはイラク戦争やブッシュ大統領批判について等の、その直接的なテーマでしょうか。政治的なテーマを音楽にすることは賛否があるかもしれませんが、僕は完全にOKです。シンプルに考えれば、伝えたいことがあって、それを曲にして歌うということは、素晴らしいことだと思います。直接的にであっても、間接的にであっても。それに有名な「Ohio」を例に取るまでもなく、ニール・ヤングはいつだってこうじゃなかったかって思うんです。反戦についてのアルバムかもしれないけど、単なる批判でも奇麗事でもなく、ブッシュを倒せばそれでいいというわけではもちろんなく、これはいつだってニール・ヤングが歌ってきた自由についての歌("Songs of Freedom")だと感じます。『Living With War』はニール・ヤングの凄さ、素晴らしさはもちろん、僕にとっては音楽の素晴らしさまで思い出させてくれるアルバムです。ニール・ヤングが2006年という今に作りあげたレベル・ミュージック、決して最先端の音楽というわけじゃないけど、これほど今聴くべき音楽なんてあるのかな、とまで思うほどです。
【LINKS】
・Neil's Garage
・bounce.com









